スパムメール対策をしよう

インターネットで様々なサービスへの登録や掲示板やホームページでのメールアドレス公開を行うと必ずと言っていいほど届くのが迷惑な広告メールや迷惑メール。一般にスパム(spam)と呼ばれるこのインターネット版ダイレクトメールは一方的に送りつけられてくるため防ぐのが難しいのが現状です。

しかしある程度の自衛はちょっとした心がけで行うことができますし、送りつけられるのを防ぐことは出来なくともスパムメールを自動で判断し、ゴミ箱に捨ててくれるスパムフィルターというツールでスパムの被害を軽減することが出来ます。

ではまず自分で出来る自衛手段から解説していきます。

スパムメールに返事をしない

スパムメールは基本的に無差別に送りつけられてきますが、それに返事をしてしまうとますますスパムメールを送りつけられてしまいます。

スパムのほとんどは広告メールなので人目に触れずに捨てられてしまってはスパムメール業者にとって意味がありません。なので、業者が送りつけたスパムメールに「スパムメールを送るな!」という返事を送っても、スパムメール業者は「このアドレスに送ったメールは人に読まれている。よし、もっと広告メールを送ってやれ」と判断されてしまうのです。

スパムメールの中には「この配信を止めたい場合はxxx@xxxまでメールを送ってください」と一見もっともらしいことを書いているものもありますがますがそれは罠。それに返事をするとますますスパムメールが増加してしまいます。

スパムメールには返事をしない。これを心がけましょう。

HTML形式のスパムメールは開かない

スパムメールにはテキスト形式だけではなくHTML形式のものも多くあります。HTML形式のメールは通常のホームページを見るように様々な画像や効果を出せるのですが、この仕組みをスパムメールは悪用します。

HTML形式のスパムメールを開いた瞬間・WEBビーコン・スパムビーコンと呼ばれる仕組みがそのスパムメールを開いたことをスパムメール業者に送信してしまうのです。

するとスパムメール業者は「このアドレスに送ったメールは人に読まれている」と判断してますますスパムメールを送りつけてきます。

つまりHTML形式のスパムメールを開いただけでスパムメールに返事をするのと同じことになってしまうのです。

HTML形式のスパムメールは開かない、スパムかどうかはテキスト形式で読んで判断するようにしましょう。

使っているメールソフトがOutlook Expressの場合は「ツール」→「オプション」→「読み取り」→「メッセージはすべてテキスト形式で読み取る」にチェックを入れればOKです。

インターネットで公開するメールアドレスにはフリーメールを使用する。

様々なネットサービスへの登録や掲示板への書き込み・ホームページを運営する際、メールアドレスの記入や公開は避けることが難しいですよね。

そういった人目に付きやすい場所にプロバイダ支給のメールアドレスを使ってしまうとあっという間にスパムメールでいっぱいになってしまいます。

それらの被害を防ぐために人目に付きやすいメールにはフリーメールを使うようにしましょう。

フリーメールならスパムメール業者にアドレスが知られてたくさんのスパムメールが送られても、そのフリーメールアドレスを破棄してしまえば済みます。

プロバイダ支給のメールアドレスは信頼性のおけるWEBサービスや人にだけ使うようにしましょう。

無料メールアドレス収集防止ソフト「HTMLエンティティ生成」

メールアドレスをホームページで公開しているとスパムが送りつけられやすいことは前述しましたが、スパム業者の多くはそれらのメールアドレスを収集するためにメールアドレス収集プログラムを使っています。収集プログラムでホームページを解析しメールアドレスと思われるものがあったらプログラムに拾わせるわけです。

そうしたメールアドレス収集プログラムへの対策の一つとしてメールフォームを使う方法があります。メールフォームとはHTMLのフォーム画面に入力された内容をEメールに変換して自分のメールアドレスに送ってくれるサービスなのですが、これを使えばページ上に自分のメールアドレスを表記する必要がありません。

とはいえメールフォームはある程度使える場面が限られていますし、どうしてもメールアドレスをページ上に記述しなければいけない場合もあります。そこでもう一つの対策としてページに記載するメールアドレスを自動収集プログラムにわからない記述に変えてしまう方法があります。

HTMLエンティティ生成は自分のメールアドレスを10進法・16進法のエンティティ表記というものに変換し、メールアドレス収集プログラムに拾われにくくします。

たとえば「ab@c.com」をエンティティ化すると、「エンティティ表記」というエンティティ表記になります。

一見めちゃくちゃな数列に見えますがこれをページに貼り付けてブラウザで見るとちゃんと「ab@c.com」(上記のエンティティ表記で書いてます)と読むことができます。つまりメールアドレス収集プログラムからはめちゃくちゃな数列に見え、人がブラウザを使って見るとちゃんとしたメールアドレスに見えるわけです。

変換方法はメールアドレスを打ち込んで変換ボタンを押すだけと簡単なので、ホームページでアドレスを公開している方はぜひ試してみてくださいね。

無料スパムフィルター「POPFile」

スパムメール対策をいくつか解説してきましたがそれでも完全には防げないのがスパムメール。メール受信をすると大量に表示されるスパムメールを見てガクッとする方も多いと思います。それらのスパムメールを1つ1つ「これはスパム、これは必要なメール」と分けていくのは大変な労力です。

しかしそのスパムメールの判別・分別を自動で行ってくれるスパムフィルターというツールが存在します。スパムフィルターはスパムメールに良く見られる文章などを分析し、自動でスパムメールの判別を行ってくれます。

その中でも「ベイズ理論」という強力なスパム判別機能を持った無料スパムフィルター「POPFile」を紹介します。

POPFileはPOP形式という、自分のアカウントに貯まったメールをダウンロードするタイプのメールソフトに使えます。MSNホットメールなどのサイトにログインしブラウザで閲覧するWEB形式には使えませんのでご注意ください。

POPFileを使うには最初のいくつかの設定をする必要がありますがそれほど難しいものではありません。マニュアルや下記のHowTO・F&Qを見ながら自分の使っているメールソフトに合った設定をしましょう。

POPFileは送られてきたメールの内容を分析し、スパムメールとそうでないメールとを選別してマークを付けてくれるので、そのマークを基準にメールソフト側で分別ができます。

なお初めからスパムを完全に見分けられるわけではなく、人間自身が「このメールはスパムだよ。これは違うよ」と教えてあげると、POPFileはそれを学習してどんどん賢くなりスパムメールを見極める精度が高まっていきます。

スパムフィルター付き無料メールソフト「ThunderBird」

POPFileはメールソフトに初めから付いているわけではないのである程度の設定を自分で行う必要がありますが、無料のメールソフト「Thunderbird」にはPOPFileと同じベイズ理論のスパムフィルターが標準で機能が付いているので設定が少なく簡単に使えます。

スパムフィルターを使うにはThunderbirdのメニューから「ツール」→「迷惑メールフィルタを実行」をONにし、「ツール」→「迷惑メールフィルタ」「学習フィルタ」にチェックを入れるだけです。スパムフィルターをより賢くするためにはPOPFileと同様、人間の手で「これはスパム、これは違う」と教えてあげましょう。