Flash Cookieの削除方法

インターネットでは動画やゲームの表示などにFlash playerというアプリケーション(以下Flash)が様々なサイトで使用されています。

Flashにはログインなどの設定やゲームのセーブデータなどをパソコンに記憶しておく機能があり、このFlashの記憶データをLocal Shared Object(略称LSO)といいます。Local Shared ObjectはブラウザのCookieと同じような働きをするためFlash Cookieとも呼ばれます。以下の解説ではわかりやすいFlash Cookieの名称の方を使用します。

このFlash Cookieは、通常の使われ方では一度設定したことを次にサイトに訪れた時にも設定する必要がなくなったり、ゲームを前の続きから遊べたりする便利な機能です。

しかしブラウザCookieがユーザーの行動を追跡するためのスパイウェアとして使われることがあるように、Flash Cookieもまた同じように行動追跡のスパイウェアとして悪用されることがあります。

Flash CookieはブラウザCookieと違ってどのブラウザからでも保存されたデータを利用できる上、セキュリティ対策がされるようになってきたブラウザCookieと違ってまだ認知度も低く対策をされていることが少ないため、スパイウェアに悪用されることが増えてきています。

Flash Cookieからどんなサイトを閲覧したかなど行動追跡をされるのを防ぐためには、WebサイトのFlash Cookieの保存を制限したり、定期的にFlash Cookieを削除する必要があります。

2011年5月のアップデートでver.10.3になったFlash Playerから、Flash Cookieの削除を容易に行えるグローバル設定やブラウザからの削除が追加されました。

ブラウザからのFlash Cookie削除

ブラウザからのFlash Cookie削除に対応しているのは、Internet Explorer 8以降、Firefox 4以降、Google Chrome 11以降です。

それらのブラウザの履歴削除の画面からCookieを選択すると、通常のCookie+Flash Cookieが削除されます。

たとえばIE8なら、「ツール」→「オプション」→「全般」タブ→「閲覧の履歴」→「削除」で、「Cookie」を選択して削除を選びます。

IE8でのFlash Cookie削除1
IE8なら「閲覧の履歴」で削除をクリックして、

IE8でのFlash Cookie削除2
Cookieを選択して削除をします。

この方法は今までに大量に保存されたFlash Cookieを掃除するのに便利ですが、FlashゲームのセーブデータやFlashサイトの設定など、今まで使用してきたFlashアプリケーションの設定データが全部消えてしまうので注意してください。Flash Cookieを残したいサイトがある場合は後述するFlashグローバル設定のサイトごとの削除を行ってください。

Flash Playerグローバル設定からの削除方法

Flashグローバル設定では、ウェブブラウザの一括削除より削除の選択肢が広がります。グローバル設定画面を開くには、ブラウザで表示されているFlashを右クリックして「グローバル設定」をクリックするか、WINDOWSのコントロールパネルに追加されている「Flash Player」のアイコンをクリックしてください。

Flash Player グローバル設定を選択
ブラウザで表示されているFlashを右クリックしてグローバル設定を選ぶか、

Flash Player コントロールパネル
コントロールパネルにあるFlash Playerアイコンを選択します。

Flash Player 記憶領域のグローバル設定
するとグローバル設定画面が開きます。Flash Cookieを削除するには「記憶領域」のタブを開いてください。

Flash Cookieの一括削除

今パソコン内に保存されているFlash Cookieをすべて削除するには以下の手順で行います。こちらもウェブブラウザでの一括削除と同じく、今まで使用してきたFlashアプリケーションの設定データが消えてしまうので注意してください。

すべてのFlash Cookieを削除するには記憶領域タブの「すべて削除」のボタンをクリックしてください。

すべて削除のボタン

するとどのデータを削除するかの画面が表示されるので「すべてのサイトデータ、および設定を削除」にチェックを入れてから、右下の「データを削除」を選択してください。これでパソコン内のFlash Cookie、およびFlashのカメラ・ピアアシストネットワーク設定が削除されます。

Flash Cookieの削除
上のボックスにチェックを入れてから削除ボタンをクリック。

下のボックスの「すべてのオーディオ・およびビデオのライセンスファイルを削除」は、Flash Cookieとは関係ないのでチェックを入れないでOKです。

サイトごとのFlash Cookieの削除

残したいFlash Cookieがある場合は、サイトごとのCookie削除を行ってください。サイトごとの削除画面はグローバル設定の「サイトごとのローカル記憶領域設定」で開きます。

サイトごとのローカル記憶領域設定ボタン

すると今までに閲覧したサイトの中で、パソコン内にFlash Cookieを保存しているサイトの一覧が表示されます。

一覧からFlash Cookieを削除したいサイトを選択して反転させたら「削除」ボタンをクリックしてください。これでそのサイトのFlash Cookieだけが削除されます。

Flash Cookieのサイトごとの削除

一つだけではなく複数のサイトを選んで一括削除することも可能です。選択方法は通常のWINDOWSのファイル選択と同じく、マウスをクリックしながら範囲を選択する方法や、CTRLキーやSHIFTキーを押しながらの複数選択があります。

Flash Cookieを保存する前に確認画面を表示する設定

基本的なFlash Cookieの削除は上記の方法のみでOKですが、よりFlash Cookieを厳密に管理したい方はその他のグローバル設定で行えます。

Flash Cookieの保存確認

「新しいサイトでこのコンピュータへの保存を許可する前の確認」にチェックを入れると、Flash Cookieを保存しようとするサイトごとに選択画面が表示されるようになります。

Flash Cookie保存の許可
このような選択画面が表示されます。

これにより、勝手にFlash Cookieをパソコン内に保存される心配がなくなり、信頼できるサイトのFlash Cookieだけを残せます。ただFlash Cookieを使用するサイトへ行くたびに選択しなければいけないので手間がかかる面もあります。

選択肢で一度許可したサイトはその後も許可されたままになり選択肢は表示されませんが、拒否したサイトはまたFlash Cookieを保存しようとした時に再び選択肢が表示されます。

Flash Cookieの保存をずっと拒否したいサイトがある場合や、一度許可したサイトを取り消したい場合は、先ほどの「サイトごとのローカル領域設定」画面から変更できます。

Flash Cookieの保存許可設定

変更したいサイトを個別・または一括選択してから、左下の「権限を要求」「許可」「ブロック」を選択してください。「権限を要求」はCookieを保存しようとするごとに確認画面を表示します。「許可」は確認画面を出さすにCookieの保存を許します。「ブロック」はパソコン内にFlash Cookieを保存するのを確認画面を出さずに拒否します。

サイトのFlash Cookieの保存をその場で今後拒否する方法

「許可」「拒否」の選択肢が表示された時点で、そのサイトからの保存を今後拒否することもできます。選択肢が表示された時に右クリック→「設定」で保存容量の設定画面を開いて、スライダーを左端の「なし」+「今後表示しない」を選択して「閉じる」と、そのサイトのFlash Cookie保存を今後選択肢を表示させずに拒否できます。この設定画面は選択肢からではなく、Flashを直接右クリック→「設定」でも開けます。

Flash Cookie サイトの保存容量の設定
選択画面を右クリック→「設定」を選んで、

Flash Cookie 選択肢を今後表示しない
「今後表示しない」にチェックを入れます。

一度拒否したサイトを再び許可したい場合などは「サイトごとのローカル領域設定」から変更するか、そのサイトのFlashを右クリック→「設定」で先ほどの保存容量の設定画面を開いて、「今後表示しない」のチェックを外し、スライダーをそのサイトが求めるリクエスト容量分まで増やしてください。

Flash Cookieの保存をすべてブロックする

もし完全にFlash Cookieの保存を拒否したい場合は、グローバル設定で「このコンピューターへの情報の保存をすべてのサイトでブロック」にチェックを入れてください。

Flash Cookieの保存をすべてブロック

これを選択すると、現在パソコン内に保存されているFlash Cookieをすべて削除した上で、すべてのサイトでFlash Cookieが保存されるのを拒否します。ただしFlashの動作にFlash Cookieが必要なサイトもあるのであまりお勧めできません。

InPrivateモードやプライベートブラウジングでのFlash Cookie

インターネットエクスプローラのInPrivateモードや、Firefoxのプライベートブラウジングなどは、そのモードの間だけ一時的にパソコン内にデータを保存し、モードを終了するとそれらのデータや閲覧履歴が削除されるようになっています。

Flash Cookieも同様に、InPrivateモード・プライベートブラウジング時に保存されたFlash Cookieはモード終了時に自動的に削除されます。


Flash 公式サイトのFlash Player設定での削除方法

以下はVer10.3以前に書いたFlash公式サイトから行えるFlash Cookieの削除方法です。Ver10.3によって追加されたグローバル設定でFlash Cookieの削除がより容易になりましたが、グローバル設定にはない設定もあるので記事を残しておきたいと思います。

Ver10.3でも下記の設定は行えますが、通常は上記のグローバル設定によるFlash Cookieの削除だけで十分だと思います。また一部上記の解説とかぶる部分があることをご了承ください。

グローバルストレージ設定パネル

グローバルストレージ設定パネル」では、WebサイトがFlash Cookieをパソコンに保存するのを制限したり禁止することができます。

グローバルストレージ設定パネル

セキュリティを重視するなら、スライダーを一番左の「なし」に設定しましょう。この設定にすると、Flash Cookieをパソコンに保存しようとするサイトごとに許可するかの選択肢が表示されるようになるため、信頼できるサイトの場合だけ許可をすることでセキュリティを高めることができます。ただし選択肢を選ぶ手間もかかるようになります。

もしFlash Cookieをパソコンに一切保存して欲しくない場合は「今後表示しない」にチェックを入れてください。許可・拒否の確認画面が出ずに常に拒否するようになります。ただしFlashの動作にFlash Cookieが必要なサイトもあるのであまりお勧めできません。

「サードパーティ製コンテンツにコンピュータ上のデータを格納することを許可します。」は、例えばaaa.netのページがbbb.comのFlashを使用している場合、aaa.netを利用している時でもbbb.comがFlash Cookieをユーザーのパソコンに保存できるのを許可するかの設定です。

行動追跡のスパイウェアに悪用されやすいためセキュリティを重視するならチェックを外しておいたほうがいいですが、チェックを外すことで動作しなくなるFlashもあるので注意してください。

Web サイトの記憶領域設定パネル

Web サイトの記憶領域設定パネル」では、一度保存されたFlash Cookieを、サイトごと・またはすべて削除することや、WebサイトごとのFlash Cookieの保存許可・拒否を行えます。

Flash Cookie Web サイトの記憶領域設定パネル

今まで保存されたFlash Cookieを一度全部削除したい場合は「すべてのサイトを削除」を選択してください。ただしその場合はWeb Flashゲームのセーブデータなども削除されるので注意してください。

サイト別にFlash Cookieを消したい場合は、「使用中」の文字をクリックすると、現在パソコンにFlash Cookieを保存しているサイトがリストの上位に表示されるので、消したいサイトをクリックしてから「Webサイトを削除」を選択してください。

また「Flash Cookieの保存選択」の項で解説した、保存許可の選択肢を表示させず常にFlash Cookieを許可・拒否したいサイトがある場合は、この画面からでも設定が行えます。

グローバルセキュリティ設定パネル

グローバルセキュリティ設定パネルはFlash Cookieとは関係ありませんが、FLASHが古いセキュリティルールを使用して通信を行うのを許可するかの設定が行えます。古いセキュリティルールは最新のものと比べてセキュリティが甘いため、許可を許したままにしておくと危険です。

Flash Player グローバルセキュリティ設定パネル

基本的には「常に確認」にして、許可するかの選択肢が表示されたら信頼できるサイトの場合のみ許可するのがいいでしょう。常に拒否を選ぶと、古いセキュリティルールでしか機能しないFLASHが使えなくなる場合があります。


FirefoxのAdd-on「BetterPrivacy」の使い方

ブザウザにFirefoxを使っている方は、Flash Cookieの削除専用Add-on「BetterPrivacy」が便利です。

BetterPrivacyは難しい設定が必要なく自動でFlash Cookieを削除してくれるだけでなく、特定のFlash Cookieだけを残したり時間で削除するなどの機能があります。もしこのAdd-onを使う場合は定期的にFlash Cookieを削除してくれるため、前述の「グローバルストレージ設定パネル」の設定は「なし」ではなく、デフォルトの「100KB」にしておいたほうがサイトごとの選択肢が表示される手間が省けていいでしょう。

ブラウザ終了時のFlash Cookieの削除

すべてのFlash Cookieを削除したい場合は設定も必要ありません。BetterPrivacyをインストールするとFirefoxの終了のたびに、「現在パソコンに貯まっている*個のFlash Cookieを削除しますか?」という選択肢が表示されます。

BetterPrivacy 設定画面

ここで「OK」をクリックするとパソコンのFlash Cookieがすべて削除されます。選択肢を表示せず自動で削除して欲しい場合は「Don't ask again」にチェックを入れて「OK」をクリックしてください。

ただしこの方法だと、Flashアプリの設定やセーブデータで続きから遊べるFlashゲームなどがFlash Cookieを使用している場合、それらのデータも消えてしまいます。

もし特定のFlash Cookieを残して欲しい場合は、BetterPrivacyの設定で保護することができます。

特定のFlash Cookieを保護する

Firefoxの「ツール」欄から「BetterPrivacy」を選択してください。設定画面が表示され、現在パソコンに保存されているFlash Cookieの一覧が表示されます。
保護をするFlash Cookieの選択

Flash Cookieの一覧から、自動削除して欲しくないCookieを選択してメニューの「Prevent automatic LSO deletion」をクリックします。
Protected Folder

するとそのFlash Cookieのstats欄が「Protected Folder」に代わり、Fireofxの終了時などに自動で削除されなくなります。
Flash Cookieの保護

もし保護を解きたい場合は、先ほどと同じくFlash Cookieを選択して「Allow automatic LSO deletion」で保護を解除できます。

どのCookieが保護したいデータに該当するかは、「Full path」の欄に書いてあるファイルまでのパスに含まれるURL名が参考になります。

現在保護に設定しているCookieは「Edit Protection List」からも自由に追加・編集・削除ができます。

デフォルトで存在する「sys」(Full Pach:〜Macromedia\Flash Player\macromedia.com\support\flashplayer\sys\settings.sol)のFlash Cookieは、 Flash player設定マネージャーの設定ファイルなので「Not Protected」状態でも自動削除されません。「sys」をProtectするとすべてのFlash Cookieが保護されます。

様々な削除方法

BetterPrivacyには終了時の削除の他に様々な削除方法を選択できます。削除方法はBetterPrivacyの「Options & Help」タブから設定ができます。

BetterPrivacy Option

Delete Flash Cookie on Firefox Exit
Firefoxの終了時に保護されていないFlash Cookieを削除します。下の「Always ask」にチェックが入っていると終了時にFlash Cookieを削除するかの確認画面が開きます。
Add LOS item to Firefox 'Clear History' dialogue and setting
Firefoxの「ツール」→「オプション」→「プライバシー」→「Firefoxの終了時に履歴を消去する」の一覧や、「ツール」→「最近の履歴の消去」の項目に「Flash Cookie」が追加されます。これにより他の履歴の削除と同じルールでFlash Cookieが削除できるようになります。
Delete Flash Cookies on application start
Firefoxの起動時にFlash Cookieを削除します。
Delete Flash Cookies by Timer
Flash Cookieが作成されてから一定時間で削除します。右の「Not if modifired within timer intervel」にチェックが入っていると、時間内に更新されたFlash Cookieも削除されません。「Time interveal」は削除するまでの時間設定です。
LSO delete shortcut
ALT + 設定キーで、BetterPrivacyの設定画面を開かなくてもFlash Cookieを削除できます。ボックスに設定するキーを入力してください。

CCleanerで削除する

パソコン内の不要なファイルを自動検索して削除できるツール「CCleaner」でもFlash Cookieの削除が行えます。海外のソフトですが日本語にも対応しています。

Flash Cookieの削除はCCleanerを起動して、「クリーナー」→「アプリケーション」→「マルチメディア」→「Flash Player」にチェックを入れて「解析」をクリックしてください。削除できるFlash Cookieがあれば右欄にファイル名とパスが表示されるので、それでOKなら「クリーンアップ開始」をクリックしてください。パソコンに保存されているFlash Cookieがすべて削除されます。

ただしFLASHゲームのセーブデータなども一緒に消えてしまうので注意してください。

CCleanerでのFlash Cookie削除


手動での削除

Flash Cookie (Local Shared Object)は以下のフォルダに格納されているので、手動で必要なCookieだけを残して削除することができます。

98/ME/XP C:\Documents and Settings\アカウント名\Application Data\Macromedia\Flash Player

Vista/Windows7 c:\Users\アカウント名\AppData\Roaming\Macromedia\Flash Player

Application Dataフォルダは隠しフォルダになっているので、表示させるにはウィンドウ画面の「ツール」→「フォルダオプション」→「表示」→「すべてのファイルとフォルダを表示する」にチェックを入れてください。

LSO Folder

削除の際は「macromedia.com」のフォルダ内にある「settings.sol」は、AdobeのFlash Player設定マネージャー情報が入っているので削除しないでください。削除すると設定し直しになります。